
僕は東京で生まれ埼玉で育ちました。
高校卒業までの18年間を日本で過ごし2013年の9月にカナダのニューブランスウィック州サックビル市にあるマウントアリソン大学に入学し2017年の5月に国際関係学名誉学位、政治学と地理学の副専攻を修了し卒業しました。大学入学時に一番苦労したことは日本とは正反対の教育システムや現地独特の教育への価値観を受け入れることでした。教授の講義を聞きひたすらノートをとって知識を頭に取り入れる日本伝統の受け身型教育とは違いカナダの大学の教室では生徒が主導で授業が進んでいることが多いです。
特に僕が通っていた大学はカナダでも屈指の少人数制授業を売りとする小さな大学でしたのでその特徴がより顕著でした。入学当初は教授が話している途中でもお構いなく手をあげ質問を投げかけたり自分の意見を述べるカナダ人学生たちの積極性に圧倒されました。
郷に入れば郷に従えとよく言われますがカナダ人学生のように物事のあり方を批評的に考え授業中積極的に意見を述べられるようになるまでは多大な時間と勇気が要りました。またカナダの大学でも日本と同じく文武両道が強調されていてたため自分の時間を管理し物事に優先順位をつけ効率よく課題をこなす能力は欠かせませんでした。大学1年時から授業や課題、部活動、課外活動、バイトなどに追われていた僕はその点に関しても慣れるまで大変苦労しました。
大学で一番楽しかった時間は課題や勉強のことをすべて忘れ友達とパーティーをしたり小旅行へ行ったしリラックスしながら過ごした週末でした。この経験から学んだことは学びの時間は学びのことだけ考え遊びの時間は何もかも忘れ思う存分楽しむということ、いわゆるオンとオフの切り替えの重要性です。最初から最後まで苦労を重ねて過ごしてきた4年間の大学生活でしたが後半はとても充実し自分の国際活動も認められ留学生功労賞を受賞し卒業しました。これらの留学経験に基づいてこれからの留学生に与えたいアドバイスは教育を受けるという気持ちでカナダに来るのではなく自分から積極的に教育を受けに行くという心構えで留学生活を始めるということです。お金も時間も費やす留学生活は一瞬たりとも無駄にできません。自分から何かを求めて学びに行かなければ何も始まりません。これは大学留学に限った話ではありません。語学留学でも英語を学ぶという気持ちではなく英語で学ぶという心構えで留学生活を始めることが重要です。
僕の場合現地に着いて1日目から現地の人と問題なく交流できるように英語は日本にいる間にできるだけ完璧に磨き上げました。現代社会で世界共通語にもなりつつある英語は誰でも世界中のどこでも学ぶことができます。一番大事なことは現地でしか学べないことを限られた時間の中で現地で現地の言語で学ぶことです。僕のように現地に着いた時から大学で学べるレベルの英語が話せなくても心配しないでください。言語を学ぶスピードには個人差がありますが、世界で使われている英語ができるということは大きな利点ですがそれより重要なことは自信と勇気を持って自分から積極的に学びに行く意欲です。英語ができないと自覚していても怖がらず現地の人に話しかけ友達を作ってみてください。その一歩踏み出す勇気によって見えてくる世界も広がり留学がより楽しくなってくると僕は確信しています。